【前半】カップルにもおすすめのコミュニケーションスキル「アサーション」 そのやり方やポイントを解説!
カップル間に限らず人間関係を維持するにあたって、コミュニケーションは大切な要素です。コミュニケーションを取ることで、意思疎通を図ったり、信頼関係を築くことができます。
しかし、そもそも「コミュニケーションが取れている」状態とは、一体どのような状態のことを指すのでしょうか。そしてコミュニケーションが取れることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今回のコラムでは、コミュニケーションを円滑にするスキル「アサーション」と、そのやり方やポイントを解説します。是非最後までご一読ください。
長く続くカップルと短期間で破綻してしまうカップルの違い
ここで、長期間にわたって円満な関係を築けている夫婦と、短期間で関係性が破綻したり、慢性的に葛藤状態にある夫婦の違いを比較検討した、アメリカの研究をご紹介します。
この研究によると、夫婦が直面する課題や問題の程度の差はあまりないのだと言います。つまり、どの夫婦でも家事や子育ての分担など問題になってくることは同じようなものなのです。
では、何が両者の違いだったのでしょうか。それは、アサーティブなコミュニケーションが日頃から取れているか、だったのだと言います。
コミュニケーションの3パターン
アサーティブなコミュニケーションとは何かを理解するために、そもそもコミュニケーションとは何かをご説明します。
コミュニケーションとは、個人と個人の自己表現が相互に行われる場のことを言います。この自己表現は下記の3つに分類できるそうです。
①アグレッシブ(攻撃的)
②ノン・アサーティブ
③アサーティブ
それぞれ詳しく特徴を見てみましょう。
①アグレッシブ(攻撃的)
アグレッシブは、相手の意見や状態を無視して、自分の意見や価値観を押し付けようとする攻撃的な自己表現のこと。相手を支配し、自分の思い通りに動かそうとしたり、相手に勝とうとする態度や行動のことを指します。
典型的な例としては、怒鳴る、相手を貶める、揚げ足を取る、巧妙に自分の欲求を相手に押し付ける、などが含まれます。
実は、アグレッシブな自己表現をする人は自他の違いを恐れていると考えることもできるのだそう。自分と他者の意見の違いを受け入れることができず、それをねじ伏せようとし、攻撃的になってしまうのだとか。
②ノン・アサーティブ
自分のことは二の次にして相手のことを優先するという自己表現、コミュニケーションのことです。
自分の気持ちや欲求を相手に率直に表現出来なかったり、表現し損なうことを言います。こうした自分の気持ちを「言わない」、「言えない」ことに加え、遠慮がちに言ったり、遠回しに言うことで「言ってはいるけど伝わりにくい」言い方をするなども当てはまります。
これは、自分と相手の違いを恐れることで、相手に合わせてしまったり、同調したりしてしまう、などの原因が考えられるのだと言います。
③アサーティブ
アサーティブな自己表現は、自分の自己表現を大切にしながら、相手のことも大切にする自己表現のこと。相手の気持ちや背景を配慮した上で、自分の主張・考えを相手に伝えることができます。
アサーティブな会話を身につけると、人間関係が円滑に進み、また自分自身の精神的健康にもつながるのだと言います。
この「相手も自分も大切にするコミュニケーション」を日頃から取れていることが長続きするカップルの秘訣だったのです。
次回のコラム(後半)では、アサーティブなコミュニケーションを取るための具体的なトレーニング方法をご紹介します。ぜひご一読ください。
カップルのコミュニケーションに関する意識調査はこちら
参考:
http://pscenter.doshisha.ac.jp/journal/PDF/Vol1/pp25-33.pdf
https://core.ac.uk/download/pdf/195709008.pdf
https://www.assertive.org/intro/
特集、どうして性の不満は言いづらいのか. 月刊TENGA, 第46号, 5-6. 2022. https://www.tenga.co.jp/topics/17148/